• マーチャントシリコンの噂の検証

 
 
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はじめに

ネットワーク機器ベンダー独自の開発されたASICではなく、それらの機器ベンダーに提供するチップベンダーによる集積されたSillicon On Chip(SOC)いわゆる商用(マーチャント)シリコンがネットワーク機器に広く展開されるようになってから、10年以上の月日が流れています。

上の表はDellOroGroupの2016年のレポートですがベンダーASICとマーチャントシリコンの適用範囲の変化をレポートしたものです。

本ブログではマーチャントシリコンにまつわるいくつかの噂について実際のデータをもとに検証をしてみたいと思います。

取り上げる噂は下記になります。

  • マーチャントシリコンは2年で2倍の収容性能で成長する
  • マーチャントシリコンの消費電力は2年で半分になる
  • マーチャントシリコンは安くなる
  • マーチャントシリコンの機器のライフサイクルは早い

マーチャントシリコンは2年で2倍の収容能力で成長する

客観的に比較するために下記モデルにて比較します。

7260QX-64/7260CX3-64/7060PX4-32

それぞれBroadcomのチップセットTomahawk+/Tomahawk-2/Tomahawk-3 を1つ使用しています。

これらをアリスタ製品としてのリリース時期/収容能力を比較して、図にまとめてみます。


7060QX-64(Tomahawk)から7260CX3-64(Tomahawk2)がリリースされるまで約2年で2倍の成長

7260CX3-64(Tomahawk2)から7060PX4-32(Tomahawk3)がリリースされるまで約2年で2倍の成長

1つ目の噂は証明出来ました。

マーチャントシリコンの消費電力は2年で半分になる

アリスタのデータシートの最大消費電力はすべてのポートで最大パフォーマンスの負荷をかけたときの測定値となります。


これらの値から作成した表がこちらになります。

Tomahawk→Tomahawk2で飛躍的な消費電力の削減がされたのがわかります。

一方Tomahawk2→Tomahwk3では確かに削減はされていますが、半分とまではいかないかと思います。

アリスタのデータシートは測定値データという事で各オプティクスの最大消費電力を比べてみましょう。


400Gbpsは4倍のスピードになります。オプティクスの消費電力もだいぶ上がっていますので、その分のシステム全体の消費電力も大きいとは思います。

2つ目の噂は使用するオプティクスも変化していく為、証明したとまでは言い切れませんが、収容能力が上がっても消費電力は下がるという事は言えるようです。

マーチャントシリコンは安くなる

具体的な価格の話は難しいので、2020年3月度のUSでの価格表の7260QX-64の価格を1にし、比較してみましょう。

7260CX3-64 が0.95倍 7060PX4-32が1.4倍になってます。

確かに7260CX3は確実に安くなってますし、7060PX4も帯域と比較すると安くなっていそうです。


それでは100Gbpsあたりの単価比較で比べてみましょう。

7260CX3-64 が0.38倍 7060PX4-32が0.28倍となっています。

マーチャントシリコンは安くなる。

3つ目の噂は証明出来ました。

マーチャントシリコンの機器のライフサイクルは早い

こちらもよく言われる事かもしれません。

確かに2年毎に新しいチップがリリースされ、それに伴い製品がリリースされるわけなので、新製品のリリースサイクルは早いと言えるでしょう。

しかしライフサイクルは如何でしょうか?2015年にリリースされた7260QX-64はまだ販売されています。

またアリスタのハードウェアのEnd Of Lifeポリシー(販売中止をアナウンスしてからサポートを終了する期間)は3年もしくは5年となります。

 

現時点でまだ販売終了アナウンスはされていないため、7260QX-64は最低でも8年〜10年がライフサイクルとなります。

またソフトウェアのサポートは如何でしょうか?

アリスタのEOSのライフサイクルポリシーは各トレイン最初のリリースがされて以降いくつかの(通常2-3) Featureリリース期間があります。

その後のそのトレインはメンテナンスモードに入りbugフィックスのみをするものが定期的にリリースされます。

最初のリリースより30ヶ月後、クリティカルなbugのみを修正するサポートオンリーフェーズに入ります。これが6ヶ月となります。

このサポートポリシーはすべてのEOSトレインに適用されます。

サポート期間は自社製のASICを使用している他社と比べても長いと言えると思います。

ハードウェア/ソフトウェアともに、4つ目の噂の証明は出来ませんでした。

まとめ

我々アリスタネットワークスは創業当初よりマーチャントシリコンを用いたハードウェアを販売しています。

我々が訴える市場競争力という意味でのマーチャントシリコンのメリットを口だけではうまく伝えられない事もあると思い、このブログを書かせていただきました。

また最近ではハードウェアの5年間サポートの追加やEOSの36ヶ月サポートなど市場での要求にそったサポートポリシーを提供する事が可能になりました。

参考になれば幸いです。

参考URL

7060X 7260X Datasheet

7260X3 Datasheet

7060X4 Datasheet

 

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