• クラウドネットワークに適したCLOSアーキテクチャとは

 
 
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クラウド化に伴い、データセンターを取り巻く状況が変化しています。この記事ではこれからのデータセンターで求められるアーキテクチャデザインについて記載します。

 

トラディッショナル

一昔前は、Web用、メール用、音声用などサービス用途に分かれたデータセンター、いわゆるサイロ型のデータセンターが構築されていました。サイロ型のデータセンターでは、コア、ディストリビューション、アクセスの三層構造になっており、クライアントとサーバー間の縦方向トラフィック(North-South)が大半を占めていました。

 トラディッショナルデータセンター

 

トラフィック・パターンの変化

現在はアプリケーションの変化により、データセンター内のサーバー間を行き来する横方向トラフィック(East-West)が主流になります。例えば皆さんも普段お使いのSNSは、サーバー間を行き来して写真、映像、音声などの大量データを同時に取得するアプリケーションです。さらにサーバーの仮想化が進み、データセンター内は仮想サーバーが不規則に広がる多対多のコミュニケーションが増加の一途をたどっています。このようなトラフィックパターンの変化に伴って、必要なときに必要な分のリソースを割り当てるという統合型のデータセンターへ移行しています。

データセンタートラフィック・パターンの変化

 

CLOSアーキテクチャ

では統合型のデータセンターをどのように構築すれば良いのでしょうか? East-Westトラフィックに適しており、必要なときに必要なリソースを割り当てられるデータセンターとはどのようなアーキテクチャでしょうか? 過去に様々なアーキテクチャが議論されてきました。そして最終的に業界で認められた最適なアーキテクチャがCLOSアーキテクチャです。

CLOSアーキテクチャとは、横方向の拡張性に優れている転送アーキテクチャであり、CLOSトポロジー(※)を使用します。下記の図例では、トップオブラックスイッチがリーフとなり、スパインスイッチを介して全てのリーフ間が2ホップで到達できます。

 CLOSアーキテクチャ

CLOSアーキテクチャにより、下記の要件を全て満たすことができます。

・多対多の通信で一貫性のあるレイテンシ/スループット
・全てのサーバーラックに対して一貫性のあるパフォーマンス
・ノンブロッキングであり、スケーリングが容易であること

これらの要件は統合型データセンターを構築するうえで必要不可欠であり、CLOSアーキテクチャはそれを満たすことのできる最適なアーキテクチャになります。

(※) CLOS トポロジーについて
1952年にCharles Clos氏によって提案されたClos Networkの原則を適用したトポロジーです。テレコミュニケーションズの業界でも、ファブリックのノンブロッキングパフォーマンスが問題とされ、Clos氏の提案する階層型トポロジーによって問題が解決されました。

 

データセンタープロトコル / レイヤー2(L2)

次にデータセンターで使用される技術について目を向けていきます。Spanning Treeに変わるL2冗長のプロトコルとしてTRILLやSPBがあります。これらのプロトコルは内部接続がベンダ依存であるために、新しいハードウェアの接続性に問題が出てきます。さらにオペレーションやトラブルシューティングが難しいといった声も聞こえてきます。一方標準のLAG/LACPを使用したアクティブ-アクティブのL2ドメインを使用すれば新しいハードウェアの接続性に問題は生じません。オペレーションやトラブルシューティングも容易になります。将来の拡張を考慮してサードパーティベンダを容易に組み入れられるように標準のプロトコルを採用すべきです。

MLAG(Multi-Chassis LAG)による冗長

 

データセンタープロトコル / レイヤー3(L3)

L2プロトコルでデータセンターを構築する際には、MAC Addressの拡張性やVLAN数の制限といったL2では避けられない課題があります。そこでL3プロトコルの導入が始まりました。L2ドメインを最小化することで、ブロードキャストドメインや障害発生時の影響範囲を小さくするというメリットも得られます。L3プロトコルを導入してデータセンターにIPファブリックを構築することで、安定性と拡張性をもたらします。

L3プロトコルの導入 / ECMPによる冗長

 

まとめ

・CLOSアーキテクチャの採用

CLOSアーキテクチャにより、全てのデバイス間でレイテンシ/スループットの予測が可能になります。さらに小規模な構成から大規模な構成まで一貫性を保ったまま容易に拡張ができます。

・ IPファブリックの構築

リーフとスパイン間でルーティングプロトコルを使用し、レイヤ3CLOSアーキテクチャを形成します。データセンターをIPファブリックとすることで、ビックデータ、Webやストレージを含む全てのリソースおよびアプリケーションを共有できます。

昨今では規模の大小に関わらず、データセンターを新しく作る際にはCLOSアーキテクチャのIPファブリックを構築するお客様が増えております。さらに、現在はラックを跨いだL2通信を可能にするVXLAN技術を使用し、より柔軟で拡張性が高いデータセンターが構築できます。これからデータセンターの新規構築や見直しを検討されている方、またご興味がある方はご相談ください。お客様に最適なデータセンターを構築する支援をさせていただきます。

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